スローインは、バスケットボールの試合で何度も出てくる基本的な再開方法です。アウトオブバウンズ、ファウル、バイオレーション、タイムアウト後など、さまざまな場面で使われます。
保護者向けの入門記事では「コートの外からボールを入れるプレー」と説明できますが、審判初心者・指導者初心者・TO初心者は、もう少し細かく「どこから行うのか」「いつ始まり、いつ終わるのか」「5秒はいつ数えるのか」まで理解しておくと安心です。
この記事では、2026バスケットボール競技規則 第17条「スローイン」を、17-1、17-2、17-3、17-4の項目ごとに分けて解説します。条文本文の要点と、インタープリテーションに基づく実戦例を分けて整理し、実際のミニバス現場でどう見ればよいかを初心者向けにまとめます。
第17条の全体像
第17条「スローイン」は、大きく次の4つに分かれます。
- 17-1 定義:スローインとは何か、いつ始まりいつ終わるか
- 17-2 手順:どこから、どのようにスローインを行うか
- 17-3 ルール:スローインする選手や守備側がしてはいけないこと
- 17-4 罰則:違反があった場合の再開方法
つまり、スローインは「外からボールを入れるプレー」というだけではありません。開始・終了・場所・5秒・守備側の妨害・罰則まで決められている再開方法です。
17-1 定義|スローインとは何か
17-1-1 スローインとは
17-1-1では、スローインそのものの意味が示されています。要点は、アウトオブバウンズにいるプレーヤーが、ボールをコート内へパスして試合を再開することです。
初心者向けには、「笛などで止まった試合を、コートの外からボールを入れて再開するプレー」と考えると分かりやすくなります。単に外から投げるだけではなく、コート内のプレーヤーへパスしてゲームを再開する方法です。
スローインは、アウトオブバウンズ、ファウル、バイオレーション、タイムアウト後など、試合中に何度も出てきます。保護者向けの入門解説は、ミニバスのスローインとは?どこから・いつ投げるのかを保護者向けに解説でもまとめています。
17-1-2 スローインはいつ始まり、いつ終わるか
17-1-2では、スローインの開始と終了が整理されています。スローインは、ボールがスローインを行うプレーヤーに与えられたときに始まります。
そして、ボールがコート内のプレーヤーに触れたとき、またはスローインするチームがバイオレーションをしたときなどに終わります。スローイン中のライブボールがリングとバックボードの間に挟まった場合も、スローインの終了に関係します。
審判初心者にとっては、5秒のカウントを始めるタイミングと関係します。TO初心者にとっては、ゲームクロックを動かすタイミングとも関係します。特に「スローインする人にボールが与えられた時点」と「コート内の選手が触れた時点」は区別して見ましょう。
インタープリテーション解説|17-1
【インタープリテーション解説】
ここからは、競技規則の条文本文ではなく、2026バスケットボール競技規則解説(インタープリテーション)をもとに、実際の試合で起こりやすい場面を整理します。
17-1「定義」のうち、「スローインとは何か」「いつ始まり、いつ終わるか」そのものに直接対応するインタープリテーションは確認できませんでした。ここでは、条文本文に基づいて、スローインの開始と終了を理解することが大切です。
なお、インタープリテーション第17条の冒頭では、スローイン中に守備側が境界線を越えて妨害する場面などが扱われています。これは主に17-3のルール部分で整理します。
17-2 手順|スローインはどこから、どう行うのか
17-2-1 審判がボールを与える方法
17-2-1では、審判がスローインする選手にボールを与える方法が示されています。手渡す、置く、条件を満たす場合にトスやバウンスパスで与える、といった方法があります。
初心者向けには、「審判が再開の準備を整えてからスローインが始まる」と理解すると十分です。勝手に投げ始めるのではなく、審判が再開できる状態を作ってから行います。
17-2-2 基本のスローイン位置
17-2-2では、基本のスローイン位置が示されています。原則として、違反やゲームが止まった場所に最も近いアウトオブバウンズから行います。
ただし、バックボードの真後ろからはスローインを行いません。審判初心者は、「一番近い場所」と「バックボード裏は避ける」をまず意識すると整理しやすくなります。アウトオブバウンズの基本は、ミニバスのアウトオブバウンズとは?最後に触った人で決まるスローインを保護者向けに解説も参考になります。
17-2-3 第1クォーター以外の開始時
17-2-3では、第1クォーター以外のクォーターやオーバータイムの開始方法が扱われます。これらは、センターライン延長線上からのスローインで始まります。
このとき、スローインする選手はセンターライン延長線上をまたぐ形になり、コート上のどこへでもパスできます。通常のサイドラインやエンドラインからのスローインとは少し違うため、審判初心者やTO初心者は開始位置を確認しましょう。
17-2-4 終盤のタイムアウト後のスローイン位置選択|ミニバスでは適用しない
一般競技規則では、第4クォーターやオーバータイムの残り2:00以下で、一定条件のタイムアウト後にスローイン位置を選択できる規定があります。
しかし、2026ミニバスケットボール競技規則では、17-2-4は「ミニバスケットボールでは本項は適用しない」と整理されています。そのため、ミニバスでは「終盤だからフロントコートのスローインラインを選べる」という説明は当てはまりません。
ミニバスでは、スローインラインの規定自体も適用しません。審判初心者・TO初心者・保護者は、一般競技規則の終盤2分の特別規定を、そのままミニバスに持ち込まないように注意しましょう。大会独自の運用がある場合は、大会要項や審判・TO主任の指示を確認します。
17-2-5 ボールをコントロールしているチームのファウル後
17-2-5では、ライブのボールをコントロールしているチーム、またはボールを与えられることになっているチームのプレーヤーがファウルをした場合の再開位置が扱われます。
要点は、ファウルが起きた場所に最も近いアウトオブバウンズから、相手チームのスローインで再開するという考え方です。攻撃側のファウルなどでは、フリースローではなくスローインで再開する場面があるため、審判初心者は「誰のファウルか」「どちらがボールをコントロールしていたか」を確認します。
17-2-6 テクニカルファウル後
17-2-6では、テクニカルファウル後のスローイン位置が扱われます。別に定めがある場合を除き、テクニカルファウルが宣せられたときにボールがあった場所に近いアウトオブバウンズから再開します。
テクニカルファウルは、通常の接触ファウルとは処置が異なる場合があります。初心者は、審判の説明やTO主任の指示を確認し、再開位置を勝手に判断しないことが大切です。
17-2-7 アンスポーツマンライクファウル、ディスクォリファイングファウル後
17-2-7では、アンスポーツマンライクファウルやディスクォリファイングファウル後の再開位置が扱われます。2026ミニバスケットボール競技規則では、原則としてスコアラーズテーブルの反対側のセンターライン延長線上からスローインで再開すると整理されています。
初心者向けには、「重いファウルの後は、通常のスローイン位置と違う場合がある」と理解するとよいです。ミニバスではスローインラインの規定を適用しないため、一般競技規則の表現と混同せず、審判の指示を確認しましょう。
17-2-8 ファイティングの場合
17-2-8では、ファイティングの場合は第39条に従って再開することが示されています。この記事では深掘りしすぎず、「乱闘やそれに近い重大な場面は、別の条文で処置を確認する」と整理します。
審判初心者やTO初心者は、自己判断で処置を決めず、主任審判・TO主任・大会運営の指示に従うことが大切です。
17-2-9 得点が認められない場合
17-2-9では、ボールがバスケットに入っても得点が認められない場合の再開位置が扱われます。この場合、フリースローラインの延長線上のアウトオブバウンズからスローインで再開する場面があります。
保護者やTO初心者には少し見えにくい場面です。得点が認められたかどうかは、審判の合図やスコアボードの反映を確認しましょう。
17-2-10 ゴール成功後、最後のフリースロー成功後
17-2-10では、ゴールが認められた後や最後のフリースローが成功した後のエンドラインスローインが扱われます。得点されたチームは、エンドラインの任意の位置からスローインできます。
この場面では、エンドライン沿いに動いたり、エンドライン外にいる味方へパスしたりできます。ただし、最初にボールを持った選手から数えて、コート内へ投げ入れるまで5秒を超えてはいけません。5秒ルールの入門解説は、ミニバスの5秒ルールとは?スローイン・密着ディフェンスで起こる笛を保護者向けに解説でも整理しています。
インタープリテーション解説|17-2
【インタープリテーション解説】
ここからは、第17条本文ではなく、インタープリテーションに基づく実戦例です。条文は「基本ルール」を示し、インタープリテーションは「実際の場面でどう判断するか」を補足するもの、と考えると読みやすくなります。
17-2に関係するインタープリテーションでは、終盤のタイムアウト後にどちらの位置からスローインを再開するか、センターライン延長線上から始まるクォーター開始時の扱い、ゴール後のエンドラインスローイン、得点が認められない場合の再開位置などが具体例として扱われています。
なお、一般競技規則のインタープリテーションでは、終盤のタイムアウト後に再開位置を選ぶ場面が扱われます。しかし、2026ミニバスケットボール競技規則では17-2-4を適用しないため、ミニバスではこの終盤2分の位置選択を判定例として持ち込みません。
また、ゴール後のエンドラインスローインでは、エンドライン沿いに動ける場合があります。一方で、通常の指定場所からのスローインでは、自由に大きく移動できるわけではありません。どのタイプのスローインなのかを区別することが大切です。
17-3 ルール|スローインでしてはいけないこと
17-3-1 スローインするプレーヤーがしてはいけないこと
17-3-1では、スローインするプレーヤーがしてはいけないことが整理されています。初心者がまず押さえたいのは、5秒、ライン、移動距離、最初に触れた人です。
- ボールを手放すまでに5秒を超える
- ボールを持ったままコートに足を踏み入れる
- コート内のプレーヤーに触れる前に、ボールがアウトオブバウンズになる
- 他のプレーヤーが触れる前に、スローインした本人がコート上でボールに触れる
- 誰にも触れずに直接バスケットに入れる
- 審判に指示された場所から、ライン沿いに大きく動きすぎる
小学生の試合では、スローインした本人が慌ててコート内に入り、他の選手が触れる前にボールへ触ってしまう場面もあります。審判初心者は、スローイン後に誰が最初に触れたかを落ち着いて見ましょう。
17-3-2 コート内のプレーヤーがしてはいけないこと
17-3-2では、スローインを受ける側や守備側など、コート内にいるプレーヤーの制限が扱われます。スローインされたボールが境界線を越えるまで、体の一部を境界線の外へ出してはいけません。
また、コート周辺に十分なスペースがない場合、守備側はスローインする選手に近づきすぎてはいけません。初心者向けには、「ディフェンスは守ってよいが、ラインを越えて邪魔してはいけない」と理解すると分かりやすくなります。
17-3-3 残り2分以下のスローイン妨害への警告
17-3-3では、第4クォーターやオーバータイム残り2分以下のスローイン妨害が扱われます。この時間帯では、審判がスローイン前に予防的なシグナルを出すことがあります。
そのうえで、ディフェンスが境界線を越えて妨害した場合などは、バイオレーションであり、状況によってテクニカルファウルになることがあります。初心者には難しい部分ですが、「終盤のスローイン妨害は重く扱われることがある」と整理しておくとよいです。バイオレーション全体の入門は、ミニバスでよくあるバイオレーション5選でも確認できます。
インタープリテーション解説|17-3
【インタープリテーション解説】
ここからは、インタープリテーションに基づいて、17-3の「スローインでしてはいけないこと」を実際の場面に当てはめて整理します。
インタープリテーションでは、守備側が境界線を越えてスローインを妨害する場面、審判が警告を与える場面、繰り返された場合にテクニカルファウルとして扱われる場面などが確認できます。特に終盤のスローインでは、審判が予防的なシグナルを出すかどうかも重要になります。
また、スローインする選手がボールをコート内の味方へ「パス」するのではなく、手渡しのように渡してしまう例も扱われています。スローインは、コート内へパスして再開するプレーであり、手渡しで済ませるものではありません。
そのほか、スローインした本人が他の選手より先にボールへ触る場面、ボールが直接バスケットに入る場面、スローイン中のボールがリングとバックボードの間に挟まる場面なども、実戦で迷いやすい例として整理されています。ここでは確認できる事例だけを要約し、細かな処置は審判・TO主任と確認する前提で理解しましょう。
17-4 罰則|スローインの違反後はどう再開するか
17-4では、17-3に違反した場合の罰則が扱われます。要点は、元のスローイン位置のアウトオブバウンズで、相手チームにボールが与えられるということです。
初心者向けには、「スローインの違反は、相手ボールのスローインで再開」と考えると分かりやすいです。5秒オーバー、ラインを踏む、直接ゴールに入る、スローインした本人が先に触るといった場面では、相手チームのスローインで再開する流れになります。
インタープリテーション解説|17-4
【インタープリテーション解説】
17-4「罰則」だけを独立して扱う直接対応のインタープリテーション見出しは確認できませんでした。基本的には、17-3の違反があった場合、相手チームのスローインで再開すると理解します。
一方で、インタープリテーションでは、17-3の各違反例に対して、相手チームのスローイン、警告、テクニカルファウルなどの処置が具体例として示されています。したがって、罰則は17-3の具体例とセットで確認すると分かりやすくなります。
第17条を審判初心者が見るチェックリスト
- スローインの位置は正しいか
- バックボードの真後ろから行っていないか
- ボールを渡してから5秒を超えていないか
- スローインする選手がラインを踏んでいないか
- 指定位置から大きく動きすぎていないか
- スローインした本人が先に触っていないか
- ディフェンスが境界線を越えて妨害していないか
- ゴール後のエンドラインスローインでは、動ける範囲を理解しているか
- ポゼッションアローによるスローインの場合、TOが矢印を変えるタイミングを確認しているか
ポゼッションアローによる再開は、ミニバスのジャンプボールとポゼッションアローとは?保護者向けに分かりやすく解説でも詳しく整理しています。
指導者が選手に伝えたいポイント
- スローインは投げる選手だけでなく、受ける選手の動きも大切
- 5秒になる前に、味方がボールをもらいに動く
- ゴール後のエンドラインスローインでは、焦らず周りを見る
- ディフェンスはラインを越えずにプレッシャーをかける
- 小学生には「スローインの人を助ける動き」を練習で教える
スローインの5秒は、投げる選手だけの問題ではありません。味方が動いて受けに行くことで、スローインする選手を助けられます。
TO初心者が知っておきたいこと
スローイン自体は、基本的にスコアシートへ記録するものではありません。ただし、ファウル後、バイオレーション後、タイムアウト後など、再開理由によってTOの確認事項は変わります。
ポゼッションアローによるスローインの場合は、スローインが終わったあとに矢印を変える必要があります。また、ゲームクロックを動かすタイミングは、スローインされたボールがコート内のプレーヤーに触れたときと理解しておくと安心です。
TO初心者は、勝手に判断せず、審判やTO主任の指示を確認しながら進めましょう。TO全体の基本は、ミニバスTO初心者が最初に覚えることでも解説しています。
既存の初心者向け記事との違い
既存のスローイン入門記事は、ミニバスを観戦し始めた保護者向けに「どこから投げるのか」「なぜスローインになるのか」をやさしく説明した記事です。
この記事は、2026バスケットボール競技規則 第17条をもとに、審判初心者・指導者初心者・TO初心者向けに少し詳しく整理した記事です。観戦でざっくり理解したい場合は入門記事、実際に審判やTOで確認したい場合はこちらの記事、という使い分けがおすすめです。
よくある勘違い
スローインは好きな場所から投げてよいのですか?
いいえ。基本的には審判が示した場所、または違反や中断が起きた場所に近いアウトオブバウンズから行います。
スローインは5秒以内に投げないといけませんか?
はい。ボールを手放すのに5秒を超えると、バイオレーションになります。
ゴール後のエンドラインスローインは動いてよいのですか?
はい。ゴール後などのエンドラインスローインでは、エンドライン沿いに動くことができます。ただし、コート内へ投げ入れるまでの5秒は守る必要があります。
スローインしたボールが直接ゴールに入ったら得点ですか?
いいえ。スローインのボールがコート内のプレーヤーに触れず直接バスケットに入ることは認められません。
ディフェンスはスローインを邪魔してもよいですか?
守ることはできます。ただし、境界線を越えて妨害したり、危険な距離まで近づいたりしてはいけません。特に終盤は、審判の警告やシグナルを確認しましょう。
まとめ
第17条「スローイン」は、アウトオブバウンズにいるプレーヤーがボールをコート内へ入れて試合を再開する方法を定めた条文です。
17-1では定義、17-2では手順、17-3ではしてはいけないこと、17-4では罰則が整理されています。スローインは、場所、5秒、ライン、最初に触れた人、守備側の妨害などを見る必要があります。
審判初心者は、スローインの位置と5秒、ライン、最初に触れた人を落ち着いて確認しましょう。指導者は、スローインする選手だけでなく、受ける味方の動きも教えるとよいです。TO初心者は、時計やポゼッションアローとの関係を理解しておくと、試合中の流れをつかみやすくなります。
なお、この記事は競技規則本文の要点と、確認できる範囲のインタープリテーションを初心者向けに整理したものです。実際の大会では、大会要項や主催者の運用、審判・TO主任の指示も確認してください。
2026年競技規則の各条文をまとめて確認したい方は、2026バスケットボール競技規則をミニバス向けに解説|第1条〜第50条まとめをご覧ください。


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