ミニバスではマンツーマンディフェンスを推進し、ゾーンディフェンスは禁止されています。ただし、ヘルプ・トラップ・スイッチが起きた瞬間だけでゾーンとは判断しません。5人のマッチアップと、その後の守り方を確認します。
この記事では、JBA「マンツーマンディフェンスの基準規則」(2025年12月24日一部改定)に沿って、守り方、黄色旗・赤旗、Mの記録、フリースローと再開を整理します。中心はU12で、U15との違いも比較します。
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マンツーマンは「相手にずっと密着すること」ではない
基準規則は5人それぞれのマッチアップが見えることを重視します。相手との距離だけでなく、誰を守っているか、相手やボールの動きに応じて位置を変えているかを見ます。
| 守る状況 | 基準規則の主な確認点 |
|---|---|
| ボールを持つマークマン | ボールとリングの間に位置し、1.5m以内でシュート・ドライブへ対応できる距離を保つ |
| ボールを持たないマークマン | マークマンの動きに合わせて位置を変える。ヘルプサイドではボールとマークマンを捉える |
| マッチアップを示す方法 | 目線や声、指差し、相手・ボールに合わせた移動などで担当を明確にする |
| 守備を始める位置 | フルコート・ハーフコートなどは選べるが、プレスでもマッチアップの条件を守る |
マッチアップエリアは3ポイントラインの内側を目安とします。ミニバスのコートにその線がない場合は、担当コミッショナーが目安に沿って判断します。ラインがないから基準がなくなるわけではありません。
ヘルプ・トラップ・スイッチが認められる条件
| 動き | 主な条件と、終わった後の確認 |
|---|---|
| ヘルプ | 味方が抜かれた・抜かれそうな場合などに助けられる。その後は自分のマークへ戻るか、ローテーションでマッチアップを明確にする |
| オンボールへのトラップ | ボールを持つ相手を複数で守れる。解消後は5人ともマッチアップに戻る |
| オフボールへのトラップ | 原則として行えない。ただし制限区域内で予測に基づく場合など、規則に例外がある |
| スイッチ | スクリーン・ヘルプ・トラップ後などに認められる。交代後の担当を明確にする。エリアを守り続ける目的では行わない |
ヘルプをした選手が必ず元の相手へ戻るという一通りだけではありません。ローテーションで担当が入れ替わっても、マッチアップが明確なら確認できます。一方、ボールのない相手同士を、スクリーンもないのに入れ替えてエリアを守る動きは基準に注意が必要です。
トラップ中には、残りの守備者が他の攻撃選手をエリアで捉えることが許容されます。しかし、解消後もエリアに戻って次のトラップを仕掛ける守り方とは区別します。トラップを理由に、マークマンを意識しない守備を続けてよいわけではありません。
どんな状態をゾーンとして確認する?
特定のマークマンを意識せず、組織的・意図的に場所を守る状態や、マークマンが動いても対応しない状態が継続する場合を確認します。ゴール下にいたという位置だけで判断するものではありません。
組織的・意図的ではない個人のミス、技術不足や判断で、一時的に位置や視野が不十分になっただけなら、その瞬間を切り取ってゾーンとはみなしません。子どもたちがバスケットボールを楽しめる環境を守り、将来を見据えてマンツーマンを学ぶことが推進の目的です。
黄色旗と赤旗|旗が上がった瞬間に時計を止める?
| 合図・場面 | 意味と対応 |
|---|---|
| 黄色旗 | 基準違反が認められたときに改善を促す警告。改善すれば下げる |
| 赤旗 | 所定の警告・罰則の処置へ進む合図。通常の選手個人のファウルとは別 |
| 赤旗後、攻撃側がリバウンドを取った | 得点機会が続くため、そのことだけではゲームを止めない |
| 赤旗後、守備側がリバウンド・スティールで確保した | コントロールが変わる時機に処置する |
| 赤旗後、攻撃側が得点した | 得点を認めてゲームを止め、処置する |
マンツーマンコミッショナーは赤旗後、最初に時計が止まったとき、またはボールコントロールが変わったときにブザーでクルーチーフを呼びます。タイマーはホイッスル・ブザーが鳴った時機に時計を止めます。旗が見えたことだけでTOが即座に止める手順ではありません。ファウルで止まった場合は、審判のレポートが終わってからコミッショナーがブザーを鳴らします。
C級審判員として試合を担当する場合も、旗だけを見て独自に処置せず、マンツーマンコミッショナーとTOからの伝達を確認し、規定された流れで対応することが重要です。
赤旗1回目・2回目以降の処置と、1回目からMになる例外
次の表は、ほかの罰則が重なっていない場合の基本です。相手チームとは、基準違反をしたチームの相手を指します。
| 場面 | フリースローとボールの権利 | Mの記録 |
|---|---|---|
| 通常の赤旗1回目 | FTなし。警告の処置後、相手チームのボール | 記録しない |
| 赤旗2回目以降 | 相手にFT1本とボールの権利 | コーチ欄にMを記録 |
| 第4クォーター・延長で、残り2:00以下で時計が止まった際の警告 | 赤旗1回目でもFT1本とスローイン | Mを記録 |
| 意図的なイリーガルディフェンスとコミッショナーが認めた場合 | 時間帯に関係なく赤旗1回目からMの罰則とできる。黄色旗を省略できる場合もある | Mの罰則を宣した場合は記録 |
「赤旗1回目なら必ずFTなし」は誤りです。第13条の例外を確認します。また、赤旗の回数と、コーチに記録されたMの個数は同じとは限りません。
U12はM3個、U15はM2個でコーチが失格退場
| 項目 | U12 | U15 |
|---|---|---|
| 失格退場の条件 | コーチにMが3個記録された場合 | コーチにMが2個記録された場合 |
| 一般的な赤旗の回数との関係 | 通常の1回目が警告のみなら、赤旗4回目でM3個。ただし1回目からMとなる例外がある | 通常の1回目が警告のみなら、赤旗3回目でM2個。同じく例外がある |
| 基本の再開地点(次の節の例外を除く) | テーブル反対側のセンターライン延長上 | フロントコートのテーブル反対側のスローインライン |
Mはコーチ欄へ記録し、選手の個人ファウルとチームファウルには数えません。Mと、コーチのテクニカルC・Bを合算して失格退場にする条件も設定されていません。それぞれの累積を分けて確認します。
失格退場になったコーチは速やかにベンチを離れ、控室などゲームが見えない場所へ移動します。U12で選手への説明が必要なら、アシスタントコーチや保護者代表者が短く説明できます。ベンチ構成はチーム人数とスタッフ登録の記事も確認してください。
U12のスローイン位置とショットクロック
スローインするのは基本として基準違反をしたチームの相手です。再開位置は、ゲームが止まった理由によって変わります。
| 処置する場面 | U12の再開位置 | ショットクロック |
|---|---|---|
| 通常の赤旗1回目。相手のボール保持が変わらずアウトで停止 | 停止時にボールがあった場所に最も近いアウトオブバウンズ | 残り時間を継続 |
| 通常の赤旗1回目。相手のボール保持が変わらず、守備側のファウル・キックボールで停止(FTを伴わない場合) | 同上 | 24秒にリセット |
| 上の場面以外。FTを伴うファウルと重なる場合など | 基本はテーブル反対側のセンターライン延長上 | U12は24秒にリセット。ほかの罰則の処置も確認 |
| MのFT1本を行う | 保持が変わらないアウト・守備側のファウル(そのファウルのFTなし)・キックボールなら停止位置に近い場所、それ以外は基本のセンターライン延長上 | FT中は24秒にリセットして非表示 |
Mのあとなら常にセンターラインとは限りません。ほかのファウルによるFTがある場合や、U・DQ・Tが重なった場合は、基準規則第9・11・14条に沿って本数・順序・最終的なボールの権利を審判へ確認します。
Mの罰則は、競技規則第42条の通常の相殺の対象外です。「同じ1本のFTだから打ち消せる」とTOが独自に相殺しないようにします。T・Uの違いはフリースローの本数と再開方法も参考にしてください。
クォーター終了間際・タイムアウトと重なる場合
| 場面 | 基本の処置 |
|---|---|
| 赤旗が上がり、時計が止まらないままクォーターが終了 | 警告・罰則は有効。ブザーで消えるわけではない |
| 第1〜第3クォーター終了時 | 処置をしてからインターバルを計る。次のQは罰則のスローインで開始するため、アローの向きを変えない |
| 第4Q・延長終了時 | 処置後の点差などで試合終了・延長を確認。トーナメントでFTが勝敗に影響しない場合は、Mを記録して罰則を適用しない規定がある |
| 警告とタイムアウト請求が重なる | 警告の処置後にタイムアウト。MのFTがある場合はタイムアウト終了後にFTとスローイン |
ゲーム終了時のFTや、他の罰則が重なった場合は審判の伝達を確認します。TOは旗の回数、Mの個数、時計、アロー、FT本数、再開場所を分けて照合してください。
保護者の見方と子どもへの声かけ
ボールだけでなく、守備者が誰を担当し、ヘルプやスイッチ後にどの相手を守るかを見ると理解しやすくなります。観客席の一部分だけで「ゾーンだ」と断定せず、コミッショナーが説明した違反内容と処置を分けて見守りましょう。
子どもには「ボールと自分の相手を見よう」「助けたあとは誰を守るか声を出そう」など、次のプレーにつながる言葉を伝える方法があります。旗を子ども個人への非難に結びつけず、チームで守り方を学ぶ機会として扱います。
公式資料と関連記事
2026年10月4日確認。JBA U12資料ページ掲載のマンツーマンディフェンスの基準規則(2025年12月24日一部改定)第1〜16条と、U12 TOマニュアル ハンドブック(2026年度版)を参照しています。表と例は当サイトの説明です。
接触の判定はファウルとナイスディフェンスの違い、Mの記録はスコアシートの書き方で確認できます。担当する際の準備は審判初心者の服装・持ち物をご覧ください。

