ミニバスのマンツーマンペナルティとは?U12とU15の違い・赤旗・M記録を解説

※本記事には広告・アフィリエイトリンクを含む場合があります。
※本記事は、JBA「マンツーマンディフェンスの基準規則」、マンツーマン推進関連資料、U12 TOマニュアル、TOサポーターマニュアル等を参考に、保護者・初心者コーチ向けに分かりやすくまとめたものです。
※大会や地域によって運用が異なる場合があります。実際の試合では、大会要項・マンツーマンコミッショナー・審判責任者・TO主任の指示をご確認ください。


  1. はじめに|ミニバスで聞く「マンツーマンペナルティ」って何?
  2. 1. なぜミニバスでマンツーマンが大切にされるのか?
  3. 2. マンツーマンディフェンスとは?
  4. 3. ゾーンディフェンスとは?
  5. 4. マンツーマンとゾーンはどう見分ける?
    1. マンツーマンに見えやすい状態
    2. ゾーンに見えやすい状態
  6. 5. マッチアップとは?
  7. 6. オンボールディフェンスで大事なこと
  8. 7. オフボールディフェンスで大事なこと
  9. 8. ヘルプディフェンスはしてもいい
  10. 9. トラップはしてもいいが、やり続け方に注意
  11. 10. よくあるマンツーマン違反に見えやすい場面
    1. 例1:大きい子がゴール下にずっといる
    2. 例2:トラップ専門の選手がいる
    3. 例3:トラップのあとマッチアップに戻らない
    4. 例4:裏パスだけを狙う位置に立ち続ける
  12. 11. 逆に、すぐ違反とは言えない場面
    1. ヘルプに行った場面
    2. アイソレーションで他のオフェンスが動かない場面
    3. スクリーン後に一時的にズレる場面
    4. 技術不足で完全に見失った場面
  13. 12. 黄色旗と赤色旗とは?
    1. 黄色旗
    2. 赤色旗
  14. 13. マンツーマンペナルティとは?
  15. 14. U12ではMが3回でヘッドコーチ失格退場
  16. 15. TOではどう記録する?
    1. TOでの記録ポイント
  17. 16. 赤色旗が上がったら、いつゲームを止める?
  18. 17. 赤色旗1回目と2回目以降の再開方法
  19. 18. ショットクロックはどうなる?
  20. 19. ポゼッションアローは変える?
  21. 20. 保護者が試合中に見るポイント
    1. 1. 誰を守っているかが分かるか
    2. 2. ボールとマークマンを見ているか
    3. 3. ヘルプ後に戻ろうとしているか
    4. 4. トラップ後にマッチアップが明確か
    5. 5. エリアを守り続けていないか
  22. 21. 子どもへの声かけ例
    1. 避けたい声かけ
    2. 良い声かけ
  23. 22. 練習で意識したいポイント
    1. 1. マークマンを声に出す
    2. 2. ボールとマークマンを見る
    3. 3. ヘルプと戻りをセットにする
    4. 4. トラップ後のマッチアップを確認する
    5. 5. 1対1・2対2を大切にする
  24. まとめ|マンツーマンペナルティは「取り締まり」ではなく、子どもの成長を支えるための仕組み
  25. 準備しておくと便利なもの

はじめに|ミニバスで聞く「マンツーマンペナルティ」って何?

ミニバスの試合を見ていると、保護者の方からこんな質問を聞くことがあります。

この記事では、マンツーマンペナルティの全体像、U12とU15の違い、赤旗やM記録の基本を中心に解説します。

赤旗が上がった後のフリースロー、スローイン位置、1回目・2回目以降の具体的な処置は、こちらの記事で詳しく解説しています。

ミニバスのマンツーマンペナルティの処置|赤旗1回目・2回目以降とM記録を解説

「マンツーマンって何?」
「ゾーンディフェンスはダメなの?」
「黄色旗や赤色旗って何?」
「マンツーマンペナルティって普通のファウルと違うの?」
「スコアシートにMって書かれるの?」
「何回で退場になるの?」
「子どもが悪いことをしたという意味?」

ミニバスでは、子どもたちの将来を見据えて、マンツーマンディフェンスを基本とする考え方が大切にされています。

ただし、ここで大事なのは、マンツーマン推進は違反を取り締まることが目的ではないということです。

JBAのマンツーマンディフェンス基準規則では、マンツーマンコミッショナー設置の目的は、マンツーマンに対する理解を推進し、円滑に試合運営を行い、子どもたちがよりバスケットボールを楽しめる環境を構築することであり、違反行為を取り締まることではないとされています。

つまり、保護者向けに言うと、

マンツーマンペナルティは、子どもを責めるためのものではなく、
子どもたちが将来につながるバスケットボールを学ぶための仕組み

です。

ミニバスの基本ルール全体を知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

▶ ミニバスのルールを保護者向けにやさしく解説|トラベリング・ファウル・TO・アンスポまで


1. なぜミニバスでマンツーマンが大切にされるのか?

マンツーマン推進は、ただ「ゾーンを禁止するため」のルールではありません。

目的は、子どもたちがバスケットボールの土台を身につけることです。

JBAの「なぜマンツーマン推進は進められているか?」の資料では、育成年代では「育成:個々の成長」が大切であり、勝利だけではなく、子どもたちがバスケットボールを楽しみ、学ぶことが重要だと整理されています。

マンツーマンを学ぶことで、子どもたちは次のような力を身につけます。

  • 1対1で守る力
  • 自分のマークマンを確認する力
  • ボールと相手の両方を見る力
  • ヘルプに行く判断
  • ヘルプ後に戻る判断
  • 声をかけ合う力
  • 状況判断
  • 責任を持って守る意識

JBA資料でも、育成世代ではドリブル・パス・ショット、そしてマンツーマンディフェンスを基本として学ぶことが重要だとされています。

保護者向けに一言で言うと、

ミニバスのマンツーマンは、勝つためだけではなく、子どもが将来伸びるための土台作り

です。


2. マンツーマンディフェンスとは?

マンツーマンディフェンスとは、簡単に言うと、

それぞれの選手が、自分の守る相手を意識して守るディフェンス

です。

JBAの基準規則では、マンツーマンディフェンスについて、5人全員にマッチアップが見られること、オンボールではボールマンのシュート・ドリブル・パスを制限しようとすること、オフボールではマークマンとの関係によりポジショニング・ビジョンを取ることなどが示されています。

保護者向けに言うと、マンツーマンで大切なのはこの3つです。

① 誰を守っているかが分かる
② ボールと自分のマークマンを見ている
③ ヘルプやトラップの後も、またマッチアップに戻る

つまり、マンツーマンは単に、

自分の相手にずっとベタ付きすること

ではありません。

ボールの位置、マークマンの位置、ゴールの位置を見ながら、必要に応じてヘルプやローテーションも行います。


3. ゾーンディフェンスとは?

ゾーンディフェンスとは、簡単に言うと、

人ではなく、エリアを守るディフェンス

です。

JBAの基準規則では、ゾーンディフェンスは、ディフェンスプレーヤーが特定のマッチアップを意識せず、組織的・意図的にエリアを守ることや、マークマンの動きに関係なくボールマンを守り続ける状態などと整理されています。

保護者向けに言うと、

守り方イメージ
マンツーマン人を守る
ゾーン場所・エリアを守る

ただし、実際の試合では見た目だけで判断するのは難しいです。

なぜなら、マンツーマンでも、

  • ヘルプディフェンス
  • トラップ
  • ローテーション
  • スイッチ
  • 予測に基づくプレー

があるからです。

そのため、保護者が試合中に、

今のはゾーンだ!

とすぐ決めつけるのは避けた方が良いです。


4. マンツーマンとゾーンはどう見分ける?

JBAの「マンツーマンとゾーンはどう見分けるか?」の資料では、重要な視点として、マッチアップしているか、マッチアップしようとしているか、そしてオフボールディフェンスがボールとマークマンの両方を見るポジショニング・ビジョンを取ろうとしているかが挙げられています。

保護者向けには、次のように見ると分かりやすいです。

マンツーマンに見えやすい状態

  • 5人それぞれに守る相手がいる
  • カッティングについていく
  • ボールとマークマンの両方を見ている
  • ヘルプに行っても、その後に戻る
  • トラップ後にまたマッチアップする
  • スイッチ後も誰を守るかが明確

ゾーンに見えやすい状態

  • 誰を守っているのか分かりにくい
  • 人ではなく場所を守り続けている
  • マークマンが動いてもついていかない
  • マークマンに関係なくボールマンを守り続ける
  • トラップのあと、エリアに戻ってまた待つ
  • マッチアップが明確ではない状態が続く

ただし、JBA基準規則では、ポジショニングやビジョンが適切ではない場面があっても、組織的・意図的でなければ、個人のミス、技術不足、判断として見なし、瞬間の現象だけでゾーンとは見なさないとされています。

ここはかなり大事です。

一瞬だけ迷った
戻るのが遅れた
初心者で分からなかった

というだけで、すぐにゾーンと判断されるわけではありません。


5. マッチアップとは?

マッチアップとは、

1対1で、ディフェンスする相手を決めること

です。

JBA基準規則では、ディフェンス側プレーヤーは、マンツーマンコミッショナーにマッチアップが明確に分かるように、アイコンタクト、言葉のサイン、指差しなどの手のサイン、または相手の移動に合わせて位置を移動することなどが示されています。

子どもに伝えるなら、

「自分は誰を見るの?」
「何番を見るか声に出そう」
「ボールだけじゃなく、自分の相手も見よう」

という言い方が分かりやすいです。


6. オンボールディフェンスで大事なこと

オンボールディフェンスとは、

ボールを持っている相手を守ること

です。

JBA基準規則では、オンボールディフェンスは、ボールとリングの間に位置し、マークマンから1.5m以内で、シュートチェックができ、1対1のドライブを止められる距離を保つこととされています。

保護者向けに言うと、

ボールマンに対して、離れすぎず、シュート・ドライブ・パスを簡単にさせない距離で守る

ということです。

ただし、ミニバスでは技術差や体格差もあります。

距離だけを見るのではなく、

  • 守る意思があるか
  • ボールマンに向かっているか
  • シュートチェックできるか
  • ドライブを止めようとしているか

も大事です。


7. オフボールディフェンスで大事なこと

オフボールディフェンスとは、

ボールを持っていない相手を守ること

です。

JBA基準規則では、オフボールのディフェンスは、マークマンの動きに合わせて、常にマークマンが見える、または感じられる位置に移動し、ヘルプサイドのディフェンスはボールの位置と自分のマークマンの両方が見える位置を取ることとされています。

ここで大事なのが、

ボールとマークマンの両方を見る

ということです。

子どもに伝えるなら、

「ボールだけ見ない」
「自分の相手も見よう」
「首を振って確認しよう」
「ボールとマーク、両方見える場所に立とう」

です。


8. ヘルプディフェンスはしてもいい

保護者がよく勘違いしやすいのが、

ヘルプに行ったらゾーンなの?

という点です。

答えは、ヘルプはしても大丈夫です。

JBA基準規則では、リングに向かうマークマンに振り切られたり、振り切られそうになった場合、他のディフェンスはヘルプディフェンスをすることができるとされています。また、ヘルプ後は直ちに自分のマークマンに戻るか、ヘルプローテーションを行い、マッチアップが明確に分かるようにすることが求められています。

つまり、

ヘルプはOK。
でも、ヘルプした後に誰を守るのかが分からない状態が続くと問題。

です。

子どもには、

「助けたら戻ろう」
「ローテーションしたら誰を見るか声を出そう」
「ヘルプの後が大事」

と伝えると良いです。


9. トラップはしてもいいが、やり続け方に注意

トラップとは、

ボールを持っている選手に対して、複数のディフェンスが近づいてボールを奪おうとする守り方

です。

JBA基準規則では、全ての場面でボールをコントロールしているプレーヤーへのトラップは許されるとされています。

ただし、注意点があります。

トラップのあと、5人ともマッチアップに戻ることが求められます。また、連続してトラップを行う場合でも、エリアに戻ってからまたトラップを仕掛けることは違反行為と見なされるとされています。

さらに、JBAの見分け方資料では、トラップを仕掛け続けることが育成年代であるべき姿かどうかは指導者の考え方に関わるとされ、指導者が倫理観を持ってコーチングすることが大切だと示されています。

保護者向けに言うと、

トラップ自体はOK。
でも、トラップ専門の選手を置いたり、エリアに戻って罠を張り続けたりすると問題になりやすい。

です。


10. よくあるマンツーマン違反に見えやすい場面

JBA資料では、よく見られる事象として、長身者が制限区域内にとどまり続ける、オフェンスリバウンド後にマッチアップがない、マッチアップが不明確な状態からトラップに行く、トラップ専門の選手がいる、完全にビジョンをなくす選手がいる、などが挙げられています。

保護者向けに代表例を整理します。

例1:大きい子がゴール下にずっといる

長身の選手が、マークマンに関係なく制限区域内にとどまり続けていると、エリアを守っているように見られやすいです。

ただし、マークマンがその位置にいる、ヘルプのために一時的にいる、リバウンドに備えているなど、状況によって判断は変わります。

例2:トラップ専門の選手がいる

ある選手が、自分のマークマンを見ずに、常にトラップだけを狙っている場合は、マンツーマンとして問題になりやすいです。

JBA資料でも「トラップ専門とされている選手がいる」ケースが、マッチアップが不十分なケースとして挙げられています。

例3:トラップのあとマッチアップに戻らない

トラップ後に誰を守るのかが曖昧なまま、場所を守り続けると、ゾーン的に見られやすくなります。

トラップ後は、元のマークマンに戻るか、ローテーションで新しいマッチアップを明確にする必要があります。

例4:裏パスだけを狙う位置に立ち続ける

フルコートで、かなり裏パスを狙う位置に立ち、トラップから出てくるパスを狙うインターセプターのようになるケースも注意点として挙げられています。JBA資料では、ボールマンになったときに戻ることができ、得点を防げる位置取りをすること、オフボールディフェンスはボールとマークマンの両方を見ることが考え方として示されています。


11. 逆に、すぐ違反とは言えない場面

マンツーマンの判断では、保護者が見て「ゾーンっぽい」と感じても、すぐ違反とは言えない場面があります。

ヘルプに行った場面

味方が抜かれたときにヘルプに行くのは、マンツーマンでも許されます。

アイソレーションで他のオフェンスが動かない場面

JBA資料では、アイソレーションオフェンスでは、オフェンスが動かないためディフェンスも動かずゾーンに見えることがあるが、これはオフェンス側が引き起こしている事象と考えるとされています。

スクリーン後に一時的にズレる場面

スクリーン、ヘルプ、トラップ後のスイッチは許されます。大事なのは、その後のマッチアップが明確かどうかです。

技術不足で完全に見失った場面

JBA資料では、初心者が多い場合など、技術不足で完全にビジョンをなくす選手がいることはやむを得ない場合があるとしつつ、上位大会では考慮しにくいとも説明されています。

つまり、

一瞬のミスだけで決めつけない
組織的・意図的にエリアを守り続けているかを見る

ことが大切です。


12. 黄色旗と赤色旗とは?

マンツーマン基準に関わる場面では、コミッショナーが黄色旗や赤色旗を使います。

JBA基準規則では、基準規則違反が認められたとき、マンツーマンコミッショナーは黄色の旗を上げて当該チームに注意を促し、違反事象が改善されたら黄色旗を下ろすとされています。

黄色旗

黄色旗は、ざっくり言うと、

改善を促す警告

です。

ただし、JBAの判定基準解説では、以前のように理想的なマンツーマン以外をすべて違反とみなすのではなく、現在は「ゾーンディフェンスをしていると判断した場合、赤色旗に移行するまでの警告」として黄色旗を上げる考え方に変更されていると説明されています。

赤色旗

赤色旗は、違反が改善されない場合や、明らかなゾーンディフェンスと判断される場合などに上がります。

赤色旗が上がると、ゲームが止まったタイミングなどで処置が行われます。


13. マンツーマンペナルティとは?

マンツーマンペナルティとは、赤色旗による処置の中で、コーチに記録されるペナルティです。

JBA基準規則では、1回目の赤色旗は警告であり、マンツーマンペナルティは記録されません。ただし罰則として相手チームにボール保持が与えられます。2回目以降の赤色旗は、当該チームのコーチにマンツーマンペナルティが記録され、相手チームに1本のフリースローが与えられた後、相手チームにボール保持が与えられます。

つまり、保護者向けに言うと、

赤色旗内容
1回目原則、警告。Mは記録されない。ただし相手ボールで再開
2回目以降コーチにMが記録。相手にフリースロー1本+ボール保持
U12でMが3回ヘッドコーチ失格退場

ここが前回記事からの大きな修正点です。


14. U12ではMが3回でヘッドコーチ失格退場

JBA基準規則では、コーチに2回、U12では3回のマンツーマンペナルティが記録された場合、当該コーチは失格退場となるとされています。

また、TO資料でも、U12ではMが3回記録されるとヘッドコーチは失格退場になると整理されています。

保護者向けに覚えるなら、

U12では、コーチにMが3回で失格退場

です。

ただし、マンツーマンペナルティによる失格退場は規律案件とはしないこと、MとテクニカルファウルC・Bの合算による失格退場は設定しないことも基準規則で示されています。

つまり、

MはMだけで数える
CやBと合算しない

ということです。


15. TOではどう記録する?

マンツーマンペナルティが宣せられた場合、TOではスコアシートのコーチ欄にMと記録します。

JBA基準規則でも、マンツーマンペナルティはスコアシートのコーチ欄に「M」と記録するとされています。

また、マンツーマンペナルティはコーチ自身のファウルとして記録し、チームファウルには数えません。

TOでの記録ポイント

・1回目の赤色旗は原則Mを記録しない
・2回目以降の赤色旗でコーチ欄にMを記録
・Mはチームファウルに数えない
・U12ではMが3回でヘッドコーチ失格退場
・3回目のMではGDの記録にも注意

TO担当者は、審判・コミッショナーの説明を聞いて、何回目の赤色旗なのか、Mを記録するのかを落ち着いて確認しましょう。

ミニバスのスコアシートでのファウル記号や記録方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

▶ ミニバスのスコアシートの書き方|一般との違いを保護者・初心者TO向けにやさしく解説


16. 赤色旗が上がったら、いつゲームを止める?

JBA基準規則では、赤色旗が上がった後、最初にゲームクロックが止まったとき、またはボールのコントロールが変わったときに、マンツーマンコミッショナーがブザーを鳴らしてクルーチーフを呼ぶとされています。

また、オフェンス側がリバウンドを獲得した場合はチームコントロールが続き、得点の機会が継続しているためゲームは止めません。一方、ディフェンス側がリバウンドやスティールでボールを獲得したときはゲームを止めるとされています。

保護者向けに言うと、

赤色旗が上がっても、その瞬間に必ず止まるわけではない
最初に時計が止まったとき、または攻守が変わったときに止まる

ということです。


17. 赤色旗1回目と2回目以降の再開方法

U12版の赤色旗対応表では、赤色旗1回目はTO席前でコーチに説明し、ボールのコントロールが変わらない場合は、事象の起こった近い位置からAチームのスローインで再開、ボールのコントロールが変わる場合は、スコアラーズテーブルの反対側のセンターライン延長線上からAチームのスローインで再開する整理が示されています。

2回目以降は、チームBのヘッドコーチにマンツーマンペナルティが記録され、Aチームにマンツーマンペナルティのフリースロー1本、その後Aチームのスローインで再開されます。

保護者向けには、

場面処置のイメージ
赤色旗1回目コーチに説明。Mは原則記録なし。相手ボールで再開
赤色旗2回目以降コーチにM記録。相手にフリースロー1本+スローイン
U12でM3回目ヘッドコーチ失格退場

と覚えるとよいです。


18. ショットクロックはどうなる?

マンツーマンペナルティ後のショットクロックも、U12では注意が必要です。

JBA基準規則では、U12ではスローインの場所を問わず、24秒へリセットすること、これ以外の場合もU12では24秒にリセットすることが示されています。

また、U12版の赤色旗対応表でも、再開時の24秒計は24秒と整理されています。

保護者向けに言うと、

U12のマンツーマンペナルティ後は、基本的にショットクロックは24秒で考える

です。

ただし、実際の操作は審判・TO主任の指示に従ってください。


19. ポゼッションアローは変える?

マンツーマンペナルティの処置で再開する場合、ポゼッションアローを使う通常のジャンプボールシチュエーションとは扱いが違うことがあります。

JBA基準規則では、ジャンプボールシチュエーションになった場合でも、それがイリーガルなディフェンスによって引き起こされた状況と判断されるため、ジャンプボールシチュエーションを無効とし、ポゼッションアローの向きは変えないと説明されています。

U12版の赤色旗対応表でも、ジャンプボールシチュエーションを無効とし、アローが示すスローインの権利を行使せず、アローの向きは変えないと整理されています。

保護者向けに覚えるなら、

マンツーマンペナルティの処置では、アローを使わない場面がある。
その場合、アローは変えない。

です。


20. 保護者が試合中に見るポイント

保護者がマンツーマンを理解するためには、細かい条文をすべて覚える必要はありません。

まずは次の5つを見ると分かりやすいです。

1. 誰を守っているかが分かるか

5人それぞれが、自分のマークマンを意識しているか。

2. ボールとマークマンを見ているか

ボールだけを見て、相手を完全に見失っていないか。

3. ヘルプ後に戻ろうとしているか

ヘルプに行ったあと、マッチアップに戻る意識があるか。

4. トラップ後にマッチアップが明確か

トラップのあと、誰を守るかが分からない状態が続いていないか。

5. エリアを守り続けていないか

特定の相手ではなく、場所だけを守っている状態が続いていないか。

ただし、繰り返しますが、保護者が外から見てすぐに判定するのは難しいです。

最終的な判断はマンツーマンコミッショナーが行います。


21. 子どもへの声かけ例

マンツーマンペナルティや黄色旗・赤色旗が出たとき、子どもを責めすぎるのは避けたいところです。

避けたい声かけ

「なんでできないの!」
「お前のせいで旗が上がった!」
「ちゃんとマンツーしろ!」
「そこに立ってるな!」

良い声かけ

「自分のマークマンを確認しよう」
「何番を見るか声を出そう」
「ボールとマークマンの両方を見よう」
「ヘルプに行ったら戻ろう」
「トラップの後は誰を見るか決めよう」
「分からなくなったら近くの相手を確認しよう」

マンツーマン推進の目的は、子どもたちがバスケットボールを学び、楽しみながら成長することです。

ミスを責めるより、次にどう守るかを具体的に伝える方が、子どもには伝わります。


22. 練習で意識したいポイント

マンツーマンディフェンスを身につけるには、試合中だけでなく、普段の練習が大切です。

1. マークマンを声に出す

「自分は何番を見る」と声に出す練習をします。

2. ボールとマークマンを見る

オフボールで首を振り、ボールとマークマンを確認する習慣を作ります。

3. ヘルプと戻りをセットにする

ヘルプに行くだけで終わらず、戻る、またはローテーションするところまで練習します。

4. トラップ後のマッチアップを確認する

トラップのあと、誰が誰を見るのかを声に出して整理します。

5. 1対1・2対2を大切にする

JBA資料でも、育成世代では1対1のオフェンス・ディフェンス、スペーシング、合わせの動きなど、バスケットボールの基本を学ぶことが必要とされています。


まとめ|マンツーマンペナルティは「取り締まり」ではなく、子どもの成長を支えるための仕組み

ミニバスのマンツーマンペナルティは、最初は分かりにくいルールです。

でも、目的を理解すると見方が変わります。

ポイントは次の通りです。

  • マンツーマン推進は、違反を取り締まることが目的ではない
  • 子どもたちがバスケットボールを楽しみ、将来につながる力を身につけるためのもの
  • マンツーマンは、5人のマッチアップが見られることが大切
  • オンボールでは、ボールマンのシュート・ドリブル・パスを制限しようとする
  • オフボールでは、ボールとマークマンの両方を見る
  • ヘルプ、トラップ、ローテーションは許される
  • ただし、意図的・組織的にエリアを守り続けるとゾーンと判断されることがある
  • 黄色旗は改善を促す警告
  • 赤色旗1回目は原則Mを記録しないが、相手ボールで再開
  • 赤色旗2回目以降はコーチにMを記録し、相手にフリースロー1本+ボール保持
  • U12ではMが3回でヘッドコーチ失格退場
  • Mはチームファウルには数えない
  • マンツーマンペナルティ後、U12ではショットクロックは基本24秒
  • ジャンプボールシチュエーションが無効になる場合、アローは変えない

保護者向けに一言でまとめるなら、

マンツーマンペナルティは、子どもを責めるためではなく、マンツーマンを通じてバスケットボールの基本を学ぶためのルール

です。

子どもたちは、守り方も試合の中で少しずつ覚えていきます。

旗が上がったときも、失敗として責めるのではなく、

「誰を見るのか確認しよう」
「ヘルプしたら戻ろう」
「ボールとマークマンを見よう」

と、次の成長につながる声かけをしていきましょう。


準備しておくと便利なもの

  • マンツーマンディフェンス基準規則
  • U12 TOマニュアル
  • TOサポーターマニュアル
  • 大会要項
  • バインダー
  • 赤・黒または青のペン
  • 作戦盤
  • マーカー
  • TOチェックリスト

マンツーマンペナルティは、コミッショナー・審判・TOが関わるため、チーム内でも事前に基本を確認しておくと安心です。

マンツーマンペナルティを理解する前に、まずマンツーマンディフェンスの基本やゾーン禁止の考え方を知っておくと分かりやすくなります。基本はこちらの記事で解説しています。
▶ ミニバスのマンツーマンディフェンスとは?ゾーン禁止・赤旗・ペナルティを保護者向けに解説

コメント

タイトルとURLをコピーしました