ミニバスの試合は、コート上で判定する審判と、記録・時計・表示を担当するテーブルオフィシャルズ(TO)が連携して進めます。第45条は、その構成、コミッショナーの役割、中立性、規則に従う義務、服装を定めた条文です。
この記事では、2026ミニバスケットボール競技規則とJBA「U12 TOマニュアルハンドブック(2026年度版)」をもとに、保護者・審判初心者・TO初心者が最初に確認したい分担を整理します。
最初に確認|TO4人の役割分担
| 担当 | 主な仕事(国内のU12 TO) |
|---|---|
| スコアラー | スコアシートの記入、タイムアウト・交代の請求を審判へ知らせる合図、ポゼッションアローの操作 |
| アシスタントスコアラー | スコアボードの操作、個人・チームファウルの表示、スコアラーの補助 |
| タイマー | ゲームクロック(試合時計)の操作、タイムアウト・インターバルの計測 |
| ショットクロックオペレーター | ショットクロックの操作、24秒・14秒・継続などの管理 |
第45条45-2では各担当1人の4人を定めています。U12 TOマニュアルでは、仕事を分担して5人で行う場合も示されています。担当名だけでなく、誰が得点を入力し、誰がブザーや表示器具を操作するかまで確認します。
得点入力と試合時計の操作が一体の機器では、タイマーが得点入力も行う場合があります。その場合は時計のスタート・ストップを優先します。
詳しい記録方法は第48条 スコアラー・アシスタントスコアラー、試合時間の操作は時計係(タイマー)の操作手順をご覧ください。
審判団|クルーチーフ1人とアンパイア1人または2人
第45条45-1では、クルーチーフ1人とアンパイア1人または2人、合わせて2人または3人の審判で構成すると定めています。その審判団を、TOとコミッショナー(同席している場合)が支えます。
クルーチーフは、用具の承認、試合開始、必要な最終決定、スコアシートの承認などの任務を担います。アンパイアも、自分の任務の範囲で独自に判定する審判です。
ファウル・バイオレーションを判定するのは審判で、TOは判定の伝達をもとに記録・表示・時計操作を行います。TOが「この接触はファウル」と決めて記録するわけではありません。
権限の違いは第46条 クルーチーフの任務、判定の原則は第47条 審判の任務と権限で整理しています。
TO席の並びと、コミッショナーの位置
U12 TOマニュアルでは、Aチームベンチ側からBチームベンチ側へ、次の順にTOの座席を示しています。
- ショットクロックオペレーター
- タイマー
- スコアラー
- アシスタントスコアラー
第45条45-3のコミッショナーが同席する場合は、スコアラーとタイマーの間に座ります。5人でTOを行う場合の追加の席は、仕事の分担に応じて決めます。TO主任・TOサポーターを置く場合は、U12 TOマニュアルでは後方に席を設けるとしています。
コミッショナーの主な任務は、TOの仕事を監督し、クルーチーフとアンパイアが円滑に試合を進められるよう支えることです。第45条は「同席している場合」の役割を定めており、全ての試合に必ず配置されるという規定ではありません。
第45条のコミッショナーと、マンツーマンコミッショナー
U12では、マンツーマンディフェンスを監督・管理するマンツーマンコミッショナーも登場します。第45条の、TOの仕事を監督するコミッショナーとは、根拠となる規則と任務を分けて理解します。
| 名称 | 根拠と主な任務 |
|---|---|
| 第45条のコミッショナー | 競技規則45-3。TOの仕事の監督と、審判団の試合進行のサポート |
| マンツーマンコミッショナー | マンツーマンディフェンスの基準規則第17条。マンツーマンディフェンスの監督・管理と、基準規則違反の判断 |
マンツーマンの基準規則では、その違反の判断はマンツーマンコミッショナーの任務とされ、審判やTOを担当する児童・生徒などが判断するものではありません。大会で誰がどの任務を担当するかを確認しておきます。
中立性と、規則を変更できないこと
第45条45-4は、審判が両チームに対し、あらゆる面で中立であることを求めています。どちらか一方のチームだけに有利な判定基準を使うことはできません。
第45条45-5は、審判・TO・コミッショナーが競技規則に従ってゲームを行い、規則を変える権限を持たないと定めています。
大会要項で認められた運用を確認することと、担当者がその場でルールを変更することは異なります。分からない場面は、規則と大会の定めを確認し、審判団・TO主任・主催者へ必要な情報を共有します。
TOも、チームの応援とは区別して、両チームの得点・ファウル・時間を正確に扱うことが大切です。所属チームの記録でも、推測で加算・削除せず確認します。
審判とTOの服装|国内大会の補足を確認
第45条45-6の基本は、審判用シャツ、黒の長ズボン、黒のソックス、黒のシューズです。国内大会の補足には、JBA公認のセカンドユニフォームについて次の扱いがあります。
- 原則、夏季のゲームではセカンドユニフォーム上下の着用が認められる。
- 原則、都道府県大会ベスト16以上の公式大会では、従来のJBA公認ユニフォームを着用する。
- セカンドユニフォームを使う場合は上下ともそろえ、審判クルーで同じユニフォームを着用する。ソックスは黒とする。
これらには大会主催者が扱いを変更できる補足もあります。夏だから自由な服装で担当できるという意味ではなく、大会の指定を確認します。
第45条45-7では、審判とTOはそれぞれ服装を統一すると定めています。国内のTOの服装に限っては、大会主催者が決める補足があります。TOも審判と同じユニフォームを着るという規定ではありません。
記録・時計の異常を共有する手順
次の表は、異常の内容を整理して伝えるための実務上の確認例です。担当者同士の声かけと、審判へ知らせる合図を試合前に共有しておきます。
| 起きたこと | 確認する担当と伝える内容 |
|---|---|
| 得点表示とスコアシートが違う | スコアラーとアシスタントが照合。表示と記録の合計、直前の得点者・点数を共有する |
| 試合時計を止め忘れた | タイマーが現在の表示、誤操作に気づいた時点、起きた場面を共有する |
| ショットクロックを誤操作した | ショットクロック担当が操作前後の表示、リングへの接触やボールの権利などを共有する |
| ファウルの番号・種類が不明 | スコアラーが審判のレポートを確認。推測で記入せず、不明な情報を具体的に伝える |
スコアシートの記録ミスをゲーム中に発見した場合は、第48条48-3の国内補足に従い、次にボールがデッドになったときにスコアラーがブザーで審判へ知らせます。TOの請求用ブザー自体が、試合を止めたりボールをデッドにしたりするものではありません。
誤った記録や時間を、推測して独断で修正しないことが大切です。審判と確認して、第44条の訂正できる範囲・期限に従います。「終了後にまとめて直せばよい」と考えず、気づいた時点で共有します。
詳しい訂正の扱いは第44条 訂正のできる誤りをご覧ください。
試合時計とショットクロックは、別の担当・別の基準
ゲームクロックは試合の残り時間、ショットクロックは攻撃の制限時間を管理します。別の時計なので、常に同時にスタート・リセットするわけではありません。
例えば最初のジャンプボールでは、ゲームクロックは正当なタップでスタートしますが、ショットクロックはどちらかのチームがボールをコントロールしてからスタートします。
ミニバスでも24秒の管理を行います。表示器がないことだけを理由に、24秒ルールを使わなくなるわけではありません。用具の規定にある小旗・ストップウォッチなどの代替方法は、使用機器と大会の手順を審判・TO主任に確認します。
24秒・14秒・継続の扱いは、ショットクロックの基本をご覧ください。
初めてTOを担当するときの試合前チェック
- 担当名と実際に操作する機器を確認する。
- 競技時間、延長の有無、タイムアウト、特別ルールを確認する。
- 時計・得点・ブザー・ファウル表示の操作を試し、開始前の状態へ戻す。
- 審判のシグナルを見る位置と、TO同士の声かけを確認する。
- 不明な番号や誤操作を、誰がどの合図で知らせるかを決める。
これは準備を進めるためのチェック例です。保護者や子どもが担当する場合も、分からないことを確認できる体制を作り、審判のレポートとTO内の声かけを見聞きしながら進めます。
確認に使ったJBA公式資料
- JBA U12カテゴリー:競技規則・TO関連資料の掲載ページ
- 2026ミニバスケットボール競技規則:第45条45-1〜45-7、第48・第49・第50条
- U12 TOマニュアルハンドブック(2026年度版):TO全体、各担当の仕事
- マンツーマンディフェンスの基準規則(2025年12月24日改定):第17条
条文上の構成と、U12 TOマニュアルの具体的な分担・座席を組み合わせて確認しています。
まとめ
- 審判はクルーチーフ1人とアンパイア1人または2人。TOは4担当各1人が基本。
- 審判は判定、TOは記録・時計・表示を担い、必要な情報を共有する。
- 第45条のコミッショナーと、マンツーマンコミッショナーは任務を分けて理解する。
- 中立性、規則に従う義務、服装の統一も第45条に定められている。
関連する条文を探す場合は、2026年競技規則・第1条〜第50条まとめをご覧ください。

