第12条では、ジャンプボールとオルタネイティングポゼッションによって試合や再開の向きが決まる場面を確認しました。続く第13条では、プレーが始まったあとに「ボールをどう扱ってよいのか」を整理します。
ミニバスを見ていると、「足に当たったからキックボール?」「ドリブル中に自分の足に当たったけれど笛は鳴らないの?」「拳でボールをたたくのはなぜだめなの?」と迷う場面があります。この記事では、2026年競技規則の第13条「ボールの扱い方」をもとに、保護者や初心者にも分かりやすく説明します。
第13条は「ボールの扱い方」についてのルール
第13条は、試合中にボールをどのように扱ってよいかを定めた基本ルールです。ひとことで言えば、バスケットボールは手でボールを扱うスポーツです。
そのため、手でパス、シュート、タップ、転がす、ドリブルをすることは認められます。一方で、ボールを持ったまま走ること、故意に足や脚で蹴る・止めること、こぶしでボールをたたくことは認められていません。
2026年ミニバスケットボール競技規則で第13条を確認したところ、この条文についてミニバス独自の非適用項目や大きな相違点は確認できませんでした。そのため、基本は一般競技規則の考え方に沿って理解します。
ボールは基本的に手で扱う
バスケットボールでは、ボールを手で扱います。味方へパスする、リングに向かってシュートする、リバウンドでボールをタップする、床に転がす、ドリブルする、といったプレーは、手を使った正しいボールの扱い方です。
ミニバスの子どもたちには、「ボールは手で扱う」「動きたいときはドリブルやピボットを使う」と伝えると分かりやすくなります。ドリブルの始まりや終わりは、第24条「ドリブル」でも詳しく整理しています。
ボールを持って走ってはいけない
第13条では、ボールを持って走ることも認められていません。ボールを持ったまま自由に走れるわけではなく、ドリブル、パス、ピボットなど、ルールに沿って動く必要があります。
ミニバスでは、ボールを受けたあとにあわてて足が動いてしまったり、ドリブルを始める前に軸足がずれたりして、トラベリングの笛が鳴ることがあります。足の使い方は、第25条「トラベリング」と合わせて読むと理解しやすいです。
足や脚でボールを扱うと違反になる?
いわゆるキックボールに関係する部分です。故意に足や脚でボールを蹴る、止める、ブロックするようなプレーはバイオレーションになります。
たとえば、守備側がパスコースをふさごうとして足を出し、ボールの進行方向を変えた場合や、足でボールを止めようとした場合は、違反として扱われやすい場面です。
ここで大切なのは、キックボールはファウルではなくバイオレーションだという点です。バイオレーションの考え方は、第22条「バイオレーション」でも整理しています。
偶然足に当たっただけなら違反ではない
第13条で特に誤解されやすいのがここです。ボールが偶然、足や脚に触れただけではバイオレーションではありません。
保護者向けに言えば、「足に当たった=必ずキックボール」ではありません。審判は、選手が意図的に足や脚でボールを扱ったか、偶然当たっただけかを見ています。
ミニバスでは、子どもたちが走りながらパスを受けたり、ルーズボールに反応したりするため、ボールが足元に当たる場面は珍しくありません。偶然当たっただけなら、そのままプレーが続くことがあります。
拳でボールをたたいてはいけない
手を使うスポーツだからといって、どんな手の使い方でもよいわけではありません。こぶしでボールをたたくことは認められていません。
手のひらでパスしたり、軽くタップしたりするプレーとは違い、拳で強くたたく行為は、正しいボールの扱い方ではありません。安全面から見ても、子どもたちには「ボールは手のひらで扱う」と伝えると分かりやすいです。
ミニバスでよくある場面
パスが足に当たった
味方や相手のパスが、たまたま足に当たっただけなら、それだけで違反とは限りません。足を出して止めにいったかどうかが大切です。
守備側が足を出してパスコースを止めた
守備側が意図的に足や脚を使ってパスを止めようとした場合は、キックボールのバイオレーションになりやすい場面です。相手チームのスローインで再開します。スローインの基本は第17条「スローイン」で確認できます。
ドリブル中にボールが自分の足に当たった
ドリブル中にボールが自分の足に当たることがあります。これも、偶然当たっただけなら必ず違反になるわけではありません。ただし、足でボールを止める、方向を変えるなど、意図的に扱ったと判断されると違反になります。
ルーズボールで足元にボールが転がった
ルーズボールで足元にボールが転がると、子どもはあわてて足で止めようとしてしまうことがあります。足で止めにいくと違反になりやすいので、指導者は「足ではなく手で取りにいく」と伝えるとよいでしょう。
拳でボールをたたいてしまった
ボールを強く前に出そうとして、こぶしでたたいてしまう場面もあります。これは認められないボールの扱い方です。ミニバスでは、力まかせにたたくより、手のひらでコントロールする習慣を身につけることが大切です。
審判はどこを見ている?
審判は、単に「足に当たったか」だけを見ているわけではありません。次のような点を合わせて見ています。
- 足や脚で意図的にボールを扱ったか
- 偶然ボールが当たっただけか
- ボールの進行方向を足で変えようとしたか
- 守備側がパスを止めるために足を出したか
- こぶしでボールをたたいていないか
- そのプレーによって有利・不利が生まれたか
観客席からは足に当たったように見えても、審判の角度からは偶然と判断されることがあります。ミニバスでは、子どもたちの動きが大きく、偶然の接触も多いため、プレー全体を見て判断されます。
インタープリテーション解説|実戦で迷いやすいボールの扱い
ここからは、条文本文ではなく、インタープリテーションに基づく実戦例の考え方です。
第13条に関係するインタープリテーションでは、脚を使ってボールを扱う行為、こぶしでボールをたたく行為、正当でない方法でボールにプレーする行為などが、条文の考え方と結びついて整理されています。
初心者向けには、「ボールを手で正しく扱っているか」「足・脚・こぶしなどで不自然にボールを扱っていないか」を見ると分かりやすいです。ただし、実際の試合では、意図的か偶然か、プレー全体の流れを審判が判断します。
保護者が観戦するときのポイント
- 足に当たっただけで、すぐにキックボールとは限らない
- 選手が足を出してボールを止めようとしたかを見る
- 偶然当たっただけなら流れることがある
- こぶしでたたくプレーは認められない
- 子どもたちは慌てて足が出ることもあるため、審判の判断を見守る
- 観客席から「足に当たった」と決めつけず、プレー全体を見る
ボールがラインの外へ出た場合は、第23条「アウトオブバウンズ」の考え方も関係します。足に当たったか、外に出たか、最後に誰が触れたかは、それぞれ別のポイントとして見ると整理しやすいです。
よくある勘違い
勘違い1:足に当たったら全部キックボール
実際には、偶然足や脚に当たっただけでは違反ではありません。大切なのは、故意に足や脚でボールを扱ったかどうかです。
勘違い2:守備側の足に当たったら必ず相手ボール
守備側の足に当たった場合でも、それが偶然か故意かによって判断が変わります。足に当たった事実だけで決まるわけではありません。
勘違い3:ボールを拳でたたいても、手なら問題ない
手を使うスポーツではありますが、こぶしでボールをたたくことは認められていません。手のひらでのパスやタップとは違います。
勘違い4:キックボールは必ず悪質な反則
キックボールはバイオレーションであり、ファウルとは違います。ミニバスでは、わざとでなくても足が出てしまう場面があります。基本は「意図的に足や脚で扱ったか」を見て判断されます。
第12条とのつながり
第12条「ジャンプボール、オルタネイティングポゼッション」では、ジャンプボールやオルタネイティングポゼッションを確認しました。第13条では、プレーが始まったあとにボールをどのように扱うかを確認します。試合の始まり方を知ったうえで、ボールの扱い方を知ると、試合中の笛の意味が分かりやすくなります。
第10条・第14条とのつながり
第10条「ボールのステータス」では、ボールがライブなのかデッドなのかを扱います。一方、第14条「ボールのコントロール」では、誰が、またはどちらのチームがボールを支配しているかを扱います。第13条は「ボールをどう扱ってよいか」、第10条は「ボールがプレー中か止まっているか」、第14条は「誰がコントロールしているか」と分けると分かりやすいです。
まとめ
- 第13条は、ボールの扱い方についてのルール
- バスケットボールでは、ボールは基本的に手で扱う
- パス、シュート、タップ、転がす、ドリブルなどでボールを扱う
- ボールを持って走ることはできない
- 故意に足や脚でボールを蹴ったり止めたりすることは違反
- 偶然足や脚に当たっただけでは違反ではない
- こぶしでボールをたたくことは認められていない
- ミニバスでは「足に当たったか」だけでなく「わざと足で扱ったか」を見ると分かりやすい
第13条を理解しておくと、キックボールやトラベリング、ドリブル、アウトオブバウンズなど、ミニバスでよく見る笛の意味も整理しやすくなります。
2026年競技規則の各条文をまとめて確認したい方は、2026バスケットボール競技規則をミニバス向けに解説|第1条〜第50条まとめをご覧ください。


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