2026年10月18日更新。JBA「2027 バスケットボール競技規則 主な変更点要約サマリー」(2026年8月23日版)に基づき、審判が確認する判定の観点と、クルー・TOとの共有事項を整理します。実際に担当する試合では、適用される版の競技規則・公式解説・大会の通達を確認してください。
一般規則の改正説明です。新しいファウル名・累積・シグナルを、現在のU12の試合へ一律に先取りするものではありません。当サイトのU12に関する解釈と、正式な個別案内の確認状況は、改正内容とミニバスでの確認事項にまとめています。以下の確認メモは学習・打ち合わせ用の作成例であり、JBAが指定した公式のメモ様式ではありません。
国内適用時期を最初に確認する
| 対象大会 | 適用開始 | 審判の準備 |
|---|---|---|
| B.LEAGUE・Wリーグ | プレシーズンは2026年9月1日、公式戦はシーズン開幕 | 割当大会の通達を即時確認 |
| 天皇杯・皇后杯 | 2027年1月のファイナルラウンド | 大会固有の運用を確認 |
| その他の国内競技会 | 2027年4月1日 | 講習・プレゲームで新旧規則を混在させない |
当サイトはU12・ミニバスも「その他国内競技会」に含まれると解釈していますが、U12の個別の正式通知を引用して適用を確定した説明ではありません。担当試合のカテゴリー・適用規則・発効日を公式通知と大会要項で確認し、プレゲームカンファレンスでそろえます。
変更点1|アクト・オブ・シューティングの判断
第15条のショットの動作は、ファウル時の罰則を決める基本です。新規則では、止まった状態やジャンプなどからのショットと、ドライブ中の連続した動作を区別して開始点を確認します。
| 場面 | AOS開始の主な判断 | 確認事項 |
|---|---|---|
| ジャンプショット等 | バスケットへ向け、肩とボールが上方へ動き始める | 単にボールを保持・持ち上げただけではないか |
| ドライブからのショット | ボールをギャザーし、バスケットへ向かう連続動作が始まる | ドリブル終了と足・体・ボールの動きが連続しているか |
| バックコートからの投球 | 原則としてAOSではない | クォーター・OT・ショットクロック終了間際の実際の得点動作か |
ファウル後の動作でAOSが否定される例
- ファウルを受けたあとにパスをした
- ボールをバスケットから離れる方向へ上方に動かした
- バスケットへ正対していない状態でボールを上方へ動かした
判定では、接触だけに視線を固定せず、接触前後のボール、肩、進行方向、ギャザー、連続性を一つのプレーとして捉えます。リードとトレイルで見る要素を事前に確認し、ファウルをコールした審判がAOSの有無まで責任を持って伝えることが重要です。
変更点2|ドリブル再開の条件
第24条では、一度ドリブルを終えた選手が新しいドリブルを始められる条件が明確になります。判断の中心は「ライブのボールのコントロールを、規則で認められた形で失ったか」です。
| ボールコントロールを失う原因 | 再ドリブル | 審判の確認 |
|---|---|---|
| ショット | 可能 | 実際に得点を狙ったショットか |
| 相手選手がボールに触れる | 可能 | 相手のタッチを確認できたか |
| パスまたはファンブルしたボールが別の選手に触れる | 可能 | 別の選手への接触前に本人が再び触れていないか |
| 自分で意図的にボールを離し、誰にも触れず再び保持 | 不可 | ダブルドリブルを見逃していないか |
「手から離れた」だけでコントロール喪失と判断しないことが大切です。特にU12ではファンブルが多いため、プレーヤーの技術不足による偶然のボール逸失と、ドリブル終了後の意図的な再開を区別します。
変更点3|テクニカルファウルの2区分
プレーヤーのテクニカルファウルはカテゴリー1とカテゴリー2に分けられます。カテゴリーを正しく判断し、TOへ明確に伝えることが、その後の累積管理に直結します。
| 区分 | 主な対象 | GD累積 |
|---|---|---|
| カテゴリー1 | 侮辱、挑発、フェイクなどスポーツマンシップ上の問題 | 累積の対象 |
| カテゴリー2 | ゲームの遅延、リングにぶら下がる行為、最後のFTでの守備側ゴールテンディング等 | GDの累積対象にはならない。個人・チームファウルには数える |
GD(累積による失格退場)の対象から外れることと、ファウルを記録しないことは別です。2027年競技規則の要約では、プレーヤーのカテゴリー2のテクニカルファウルとディスラプティブファウルも、本人のファウルに記録し、チームファウルに数えます。
行為だけでなく、誰に記録するテクニカルかも従来どおり重要です。プレーヤー、ヘッドコーチ、ベンチパーソネルの区別を崩さず、スコアラーとファウル数・カテゴリー・罰則を相互確認します。
変更点4|ディスラプティブとフレグラント
従来のアンスポーツマンライクファウルは、ディスラプティブファウルとフレグラントファウルに置き換えられます。接触を「悪質そうに見えるか」だけで判断せず、ゲームフローへの影響と安全上の重大性を分けて評価します。
ディスラプティブファウルの判断軸
- フレグラントの水準に達しない不当な接触で、ゲームの流れを妨げ、相手に不利益を与えたか
- 守備側がボールへ正当に直接プレーしようとせず、ショット動作に入る前の攻撃の進行を不要な接触で止めたか
- 進行する選手とバスケットの間に相手選手がおらず、ボールをコントロール中・コントロールしようとしている・パスが放たれている選手へ、後ろや横から不当な接触をしたか。パスが空中にある場合は、ファウルがなければその選手がコントロールすると想定できることが条件。この基準はショット動作に入るまで適用する
- 各クォーター・延長の終了間際に、コート上のどの場所でも、守備側がボールへ正当に直接プレーしようとせず、ゲームクロックやショットクロックを止めるために不要な接触をしたか
要約資料では、ディスラプティブファウル2個だけではゲームディスクォリフィケーションの対象になりません。この点は従来のアンスポの累積と混同しやすいため、プレゲームでクルーとTOに共有しておきます。
フレグラントファウルの判断軸
- 危険、暴力的、無謀、過度な接触か
- プレーヤーが動作を制御できていたか
- 相手の安全に重大な危険を与えたか
- ボールへのプレーを大きく逸脱していないか
プレーヤーは、フレグラント2個、カテゴリー1のテクニカル2個、またはカテゴリー1のテクニカル1個とフレグラント1個でGDの対象になります。判定後はクルーで情報をそろえ、必要な場合はクルーチーフがテーブルオフィシャルズへ累積状況を確認します。
新しいシグナルとTOへのレポート
ゲームの遅延、ディスラプティブファウル、フレグラントファウルの新シグナルが追加されます。シグナルは形だけ覚えるのではなく、コールから再開までの手順に組み込みます。
- 笛を鳴らし、ゲームクロックを止める
- 必要に応じて選手間の距離と安全を確保する
- ファウルをした選手の番号を明確にする
- TOへ新しいファウル区分をレポートする
- フリースロー数、スローイン位置、ポゼッションを確認する
- スコアラーの記録と累積を相互確認して再開する
シグナルの正式な形と使用順は、今後のJBAメカニクス資料や講習で確認してください。移行直後は、新名称を声でも短く補足し、TOがDIとFLを取り違えないようにします。
スコアシート記号と累積管理
新しいスコアシートでは、DI、FL、T、C、B、BDなどの記号が使用されます。フリースローの本数は記号の後ろに記入し、GDにつながる累積対象の一部は丸で囲んで区別します。
| 確認担当 | 試合中の役割 |
|---|---|
| コールした審判 | 番号・区分・罰則を一貫してレポート |
| クルーチーフ | 複雑な判定と累積条件を最終確認 |
| スコアラー | 所定の記号、FT数、丸囲みを正確に記録 |
| タイマー・ショットクロックオペレーター | 再開時刻とリセット条件を確認 |
プレゲームで使える確認リスト
- 当該大会で適用する競技規則の年度を確認
- AOSの開始点と担当エリアをクルーで共有
- DIとFLの判定軸、必要時の協議方法を確認
- カテゴリー1・2のTとGD累積を確認
- 新シグナルとTOへの言葉による伝達を確認
- 新スコアシートの記号をTOクルーと確認
- U12特有の規則・大会要項を確認
審判として今から準備すること
現行規則で行われる試合に新ルールを先取りして適用してはいけません。まず要約で全体像をつかみ、競技規則全文、公式解説、都道府県協会の講習資料が出た段階で、判定例とメカニクスを更新します。
個人の準備としては、映像を見るときに「接触があったか」だけで終わらせず、AOS開始、ボールコントロール、ゲームフロー、安全性、累積条件を分けて言語化する練習が有効です。クルー内で同じ言葉を使えることが、コート上の一貫性につながります。
プレゲーム確認メモの作成例
規則変更を学ぶときは、クルー間で使う言葉と確認手順までそろえると、打ち合わせに使いやすくなります。以下は、新規則を適用することが正式に確認された試合に向けた、プレゲーム確認メモの作成例です。
- アクト・オブ・シューティングの開始点を、ボールを集める動作と連続性からどう見るか
- ドリブル中にコントロールを失った場面と、ドリブルが終了した場面を分けて見ること
- ディスラプティブ/フレグラントの名称と判定基準をクルーで統一すること
- テクニカルファウルのカテゴリー1・2と、TO席へのレポート方法
- 新しいシグナル、フリースロー本数、再開方法を誰が最終確認するか
判定後にTO席へ伝える順番
- ファウルをしたプレーヤーまたはベンチの対象を示す
- ファウルの種類・カテゴリーを明確に示す
- フリースロー本数またはスローインでの再開を示す
- スコアラーの記録と合図を確認してから再開位置へ移る
新名称だけを覚えても、クルーとTOへ同じ処置が伝わらなければ試合は整いません。判定・レポート・再開までを一つの流れとして準備します。
関連する解説
アンスポの名称変更・ファウル区分でよくある質問
2027年の新ルールでアンスポはなくなりますか?
従来のアンスポーツマンライクファウルという区分は、ディスラプティブファウルとフレグラントファウルへ置き換えられる予定です。アンスポに相当する重い接触の考え方がなくなるのではなく、ゲームフローと安全性の観点で2種類に分けられます。
ディスラプティブとフレグラントはどう使い分けますか?
戦術的・不要な接触でゲームの流れを妨げる場合はディスラプティブ、危険・暴力的・無謀・過度な接触はフレグラントが判断の中心です。正式な判定例は、今後公開される競技規則全文と公式解説、JBA講習資料で確認します。
ファウルの新しい審判シグナルはいつから使いますか?
B.LEAGUE・Wリーグは2026-27シーズンから、その他の国内競技会は原則2027年4月1日からです。担当大会の適用規則を確認し、現行規則の試合で新シグナルを先取りしないようにします。
まとめ
審判が優先して確認する変更は、AOSの開始と否定条件、ドリブル再開の条件、テクニカルファウルの2区分、ディスラプティブとフレグラントの判定軸、新シグナルとスコアシートです。
要約だけで独自運用を決めず、今後の競技規則全文・公式解説・講習内容で最終確認します。特に移行期は、新旧規則の取り違えと、審判からTOへの伝達不足を防ぐ準備が重要です。
出典:JBA「2027 バスケットボール競技規則 主な変更点要約サマリー」(2026年8月23日版)
適用時期はJBAの2026年8月27日の国内適用に関する発表、U12の現在の扱いはU12競技規則・関連規程と2026年4月1日のミニバス競技規則公開案内で確認しています。改正説明は2026年8月23日版の要約を基準としています。最新版の競技規則・公式解説・U12の正式通知と異なる場合は公式資料を優先し、内容を更新します。

