ミニバスの試合で「コーチは2人とも立っていてよい?」「タイムアウトと交代は誰が申し出る?」と迷うことはありませんか。第7条は、ヘッドコーチとファーストアシスタントコーチが行えること、試合前に準備することを定めています。
ここでは2026年JBAミニバスケットボール競技規則に沿って、ベンチ・審判・TOとの関わりを整理します。タイムアウトは第18条、交代は第19条もあわせて確認します。
最初に確認|コーチができることと手続き
| 場面 | 誰が行う? | 条件・確認点 |
|---|---|---|
| 立って選手へ指示 | ヘッドコーチかファーストアシスタントコーチ | 一度に1人だけ。チームベンチエリア内で行う |
| TO席で得点・ファウル数などを確認 | ヘッドコーチかファーストアシスタントコーチ | ボールがデッドで、ゲームクロックが止まっているとき |
| 審判とのコミュニケーション | ヘッドコーチ | ボールがデッドで時計が止まっているときに礼儀正しく行う |
| タイムアウトの請求 | ヘッドコーチかファーストアシスタントコーチ | TO席から見えるように、所定のシグナルをはっきり示す |
| 交代の正式な請求 | 交代要員本人 | コーチの指示とは別に、交代要員がTO席で申し出る |
ファーストアシスタントコーチは、スコアシートに氏名を記載した、ヘッドコーチを補佐する人です。ベンチにいる全ての大人が同じ権限を持つわけではありません。ベンチ入りする人や人数は、チームの構成と大会要項で確認します。
ベンチで立ち続けられるのは一度に1人
第7条7-6では、ヘッドコーチとファーストアシスタントコーチのうち、一度にどちらか1人が立ち続けることを認めています。2人が同時に立ち続けて指示することは認められません。立って指示する場合も、チームベンチエリア内で行います。
第7条7-3では、競技時間中の交代要員、5個のファウルを宣せられたチームメンバー、チーム関係者は着席することになっています。「ベンチ入りしているから誰でも立って指示できる」と考えないようにしましょう。タイムアウトなどの場面には別の規定があります。
ファーストアシスタントコーチは審判とコミュニケーションをとってはなりません。審判への確認と、TO席で得点・ファウル数などの情報を得ることは、別の手続きです。
試合前の提出と確認|ミニバスで適用しない項目に注意
| 項目 | 2026年ミニバス規則での扱い |
|---|---|
| 選手・コーチ等の氏名と番号の提出(7-1) | 原則として開始予定時刻の遅くとも30分前にスコアラーへ提出。国内大会では提出時間を主催者が変更できる |
| 開始10分前の確認・コーチ署名・先発5人の明示(7-2) | ミニバスではこの項目を適用しない。一般競技の手順をそのまま当てはめない |
| ファーストアシスタントコーチの氏名(7-7) | ゲーム開始前にスコアシートへ記載する。本人のサインは不要 |
| キャプテンに関する規定 | ミニバスでは適用しない。チーム内で決める役割と規則上の権限を分ける |
「7-2を適用しない」ことは、選手や番号を確認しなくてよいという意味ではありません。選手名・背番号・コーチ名の誤記、出場するメンバー、大会の出場条件を事前に確認し、選手提出の方法や締切は大会の案内に従います。スコアシートの実務はU12スコアシートの書き方をご覧ください。
タイムアウトは「請求」と「認められる時機」を分ける
第18条18-3-1で、タイムアウトを請求できるのはヘッドコーチまたはファーストアシスタントコーチです。TO席から見える位置で、またはTO席のところへ行き、所定のシグナルを手ではっきり示して伝えます。観客席からの「タイムアウト!」という声が正式な請求になるわけではありません。
請求を受けても、プレー中にすぐ試合を止めることはできません。TOは請求を把握し、タイムアウトが認められる時機に審判へ知らせます。タイムアウトは審判が笛とシグナルで認めたときに始まります。
例えば、コーチがプレー中に請求し、その後、相手チームがゴールを決めた場合は、得点されたチームにタイムアウトを認める時機があります。一方、自チームが得点しただけでは、同じように自チームのタイムアウトを認める時機にはなりません。詳しい時機と回数はタイムアウトのルールで確認できます。
交代はコーチの指示だけで完了しない
コーチは交代させる選手を選び、準備を促します。ただし、第19条19-3-1による正式な交代の請求者は、交代要員本人です。交代要員はすぐにプレーできる準備を整え、TO席へ行き、シグナルを示すか交代席に座って申し出ます。交代席がない場合はTO席の横に腰を下ろして待ちます。
通常のミニバスでは、第1〜第3クォーターの選手変更はクォーター間のインターバルとハーフタイムに行います。第4クォーターとオーバータイムでは、交代が認められる時機に交代できます。けが・5ファウル・失格退場などで交代が必要な場面は別に処置します。
交代要員は、審判が交代と入場のシグナルをするまで境界線の外で待ちます。TOのブザーだけでコートへ入らないようにしましょう。出場条件と具体的な手順はミニバスの交代ルールで確認してください。
審判・TOへの確認は、相手とタイミングを分ける
第7条7-4では、ヘッドコーチまたはファーストアシスタントコーチが、ボールがデッドで時計が止まっているときにTO席へ行き、得点、競技時間、スコアボード表示、残りタイムアウト数、ファウル数などの情報を得られます。TOは試合の進行を見ながら、記録に基づいて必要な情報を伝えます。
審判へのコミュニケーションは、第7条7-5によりヘッドコーチが、ボールがデッドで時計が止まっているときに礼儀正しく行います。例えば「次のスローインは白ボールですか」「フリースローは2本ですか」と、再開に必要な情報を短く確認します。これは説明例であり、確認のために試合を好きなタイミングで止められるという意味ではありません。
「残りタイムアウトは何回ですか」は記録の確認、「今の接触がなぜファウルか」は判定に関する話です。TOに判定の変更を求めたり、選手や保護者が一斉に審判を呼んだりせず、役割に沿って伝えます。ベンチでの態度はベンチマナーの記事も参考にしてください。
ヘッドコーチが続けられない場合・シューターの指定
第7条7-7では、ヘッドコーチが何らかの理由で役目を続けられない場合、スコアシートに氏名を記載したファーストアシスタントコーチが任務と権限を引き継ぎます。第7条7-9では、ヘッドコーチがいない、または継続できず、記載されたアシスタントコーチやチーム関係者も続けられない場合に、大会主催者が認めた保護者等が引き継ぐことができます。
観客席にいる保護者が自分の判断だけで指示役に変わるわけではありません。引き継ぐ必要が生じたときは、審判・大会主催者へ事情を伝えて確認します。ミニバスではキャプテンに自動的にその役割を負わせる扱いにはなりません。キャプテンの役割の解説もあわせて読めます。
また、第7条7-10では、ルールによってフリースローシューターが決められていない場合に、ヘッドコーチがシューターを指定します。通常のシュート中のファウルなど、規則でシューターが決まる場面で自由に変更できるという意味ではありません。
観戦・TOで迷いやすい3つの例
例1:コーチ2人が同時に立って指示する
ヘッドコーチが立って指示し、ファーストアシスタントコーチも立ち続けて指示している場面です。第7条7-6の条件は一度にどちらか1人です。声の大きさだけで判断せず、誰が立ち続けているか、ベンチエリア内かを見ます。
例2:コーチが「12番、交代」と声をかける
この声かけは交代の準備を指示した段階です。12番の交代要員本人がTO席へ申し出て、交代できる時機と審判のシグナルを待ちます。コーチが声をかけた瞬間に入場する流れにはなりません。
例3:アシスタントコーチが残りタイムアウト数を確認する
ファーストアシスタントコーチが、ボールがデッドで時計も止まっているときにTO席で記録を確認する場面です。TO席から情報を得ることは第7条7-4で認められていますが、そのまま審判へ判定について話しかける権限と混同しないようにします。
保護者が見守るときのポイント
すぐタイムアウトや交代をしない場面でも、認められる時機や出場条件を待っている場合があります。観客席から手続きを促すより、コーチ・審判・TOの合図を見て、子どもには「次のプレーに備えよう」と声をかけると、試合の流れを追いやすくなります。これは見守り方の提案であり、規則で定めた声かけではありません。
勝敗だけでなく、子どもの安全と成長を支えることも指導の大切な視点です。チーム方針や出場機会について相談したい場合は、プレー中の手続きと分け、落ち着いて話せる時間に指導者と確認しましょう。
確認に使う公式資料
- JBA「2026 ミニバスケットボール競技規則」:第7条、タイムアウトの第18条、交代の第19条を参照
- JBA U12「競技規則・関連規程等」:規則の最新版、U12向けTO資料、大会運用に関する資料を確認
表と具体例は公式規則を理解するための説明です。大会の提出締切、登録条件、特別ルールは、その大会の要項と主催者の案内を確認してください。
まとめ
- 立ち続けて指示できるのは、ヘッドコーチとファーストアシスタントコーチのうち一度に1人
- タイムアウトはコーチ側が請求し、交代の正式な請求は交代要員本人が行う
- TO席での情報確認と、ヘッドコーチの審判へのコミュニケーションは条件を分けて理解する
- ミニバスでは第7条7-2を適用しない。提出・出場確認はミニバスの規則と大会案内に沿って準備する
TOの記録実務はスコアラー・アシスタントスコアラーの任務、時計操作は時計係(タイマー)の操作手順をご覧ください。関連条文を探す場合は2026年競技規則・第1条〜第50条まとめへ進めます。

