ミニバスのスコアラーは、得点だけでなく、ファウル・タイムアウト・出場時限をスコアシートに記録し、交代などの請求を審判へ知らせるTO担当者です。アシスタントスコアラーは、得点表示とファウル表示を担当し、記録を支えます。
この記事では、2026ミニバスケットボール競技規則第48条と、JBA「U12 TOマニュアルハンドブック(2026年度版)」をもとに、記録・表示・合図の分担と、初心者が迷いやすい場面を整理します。
最初に確認|スコアラーとアシスタントの役割分担
| 担当 | 主な仕事(国内のU12 TO) |
|---|---|
| スコアラー | スコアシートの記入、タイムアウト・交代の請求を審判へ知らせる合図、ポゼッションアローの操作 |
| アシスタントスコアラー | スコアボードの操作、個人・チームファウルの表示、得点者やファウルした選手番号の確認などの補助 |
| 機器が一体の場合 | 得点入力と試合時計の操作が一体の機器では、タイマーが得点入力も担当する。時計のスタート・ストップを優先する |
第49条にはファウル表示や交代・タイムアウトの合図も記載されていますが、国内大会の補足ではスコアラー・アシスタントスコアラーへ分担されています。試合前に、誰がブザー、得点入力、表示器具を担当するか確認しましょう。
試合時間やタイムアウトの計測は、時計係(タイマー)の操作手順をご覧ください。
試合前の準備と出場時限の記録
大会名、日時、会場、ゲーム番号、チーム名、選手氏名・背番号、コーチなどをスコアシートで確認します。ゲーム開始時の5人や背番号が届け出と違う場合は、速やかに近くの審判へ知らせます。
U12 TOマニュアルでは、チーム欄はゲーム開始40分前までに記入する手順が示されています。各クォーターの開始前にはメンバーチェックを行い、出場時限欄に記録します。
| 記入する内容 | U12スコアシートでの書き方 |
|---|---|
| クォーター開始から出場する選手 | そのクォーターの出場時限欄に「/」を記入 |
| クォーター途中から出場する選手 | そのクォーターの出場時限欄に「\」を記入 |
| 記録に使う色 | 第1・第3クォーターは赤、第2・第4クォーターと延長は黒または青 |
これは単なる交代人数のメモではなく、誰がどのクォーターに出場したかを残す記録です。ミニバスの出場・交代の条件と、大会で定められた運用も確認します。
得点の記録|得点者・点数・合計を声に出す
通常のミニバスでは、ゴールは2点、成功したフリースローは1点です。ランニングスコアでは、加算後の合計得点の欄に印を付け、外側の欄に得点者の番号を書きます。
| 得点の種類 | ランニングスコアの記入 |
|---|---|
| 通常のゴール(2点) | 加算後の得点欄に対角線を引き、外側に得点者の番号を書く |
| フリースロー(1点) | 加算後の得点の数字に塗りつぶした丸を付け、外側に得点者の番号を書く |
| 偶然、自チームのバスケットに入れたゴール | 相手チームの2点として記録し、選手番号の代わりに「▲」を書く |
例えば白チームが20点で、白4番が通常のゴールを決めたら、合計22点の欄に対角線を引き、外側に「4」を記入します。「白4番、22点」と共有し、アシスタントスコアラーが得点表示を照合します。
全国ミニバスケットボール大会の特別ルールでは3ポイントが導入されています。JBAは、リング305cm・6号ボール・3ポイントの特別ルールを全国大会に限るものと説明しています。担当する大会の要項に従い、通常のミニバスと区別します。
得点の成立や自チームへのゴールについては、第16条 得点のルール、フリースローのルールも確認してください。
ファウルの記録|番号・種類・フリースロー数を確認
審判のレポートを見て、チーム、選手番号、ファウルの種類、処置を確認します。聞き取れなかった番号を推測して書かず、TO内や審判へ確認してください。
| 記号 | 内容 |
|---|---|
| P | パーソナルファウル |
| U | アンスポーツマンライクファウル |
| T | プレーヤーのテクニカルファウル |
| D | ディスクォリファイングファウル |
| C・B・M | ヘッドコーチ本人のテクニカル=C、ベンチメンバーのテクニカル=B、マンツーマンペナルティ=M |
罰則でフリースローが与えられる場合は、その本数を記号の右下に添えます。例えばPの右下に2を記入するのは「2本のフリースローが与えられる」という記録で、成功した本数ではありません。
プレーヤーのファウルはチームファウルにも記録します。ヘッドコーチに記録されるファウルはチームファウルに含めません。延長のチームファウルは、第4クォーターから続けて数えます。
5個目の個人ファウルは、スコアラーがブザーで審判に知らせ、アシスタントスコアラーが表示します。また、同じプレーヤーにTが2個、Uが2個、TとUが1個ずつ記録された場合など、失格・退場の条件を満たすときは速やかに審判へ知らせます。スコアシートには失格・退場を表すGDも記録します。
個人ファウルの数は、5個のファウルと退場の扱いも参考にしてください。
ファウル表示|4個目の直後とボールがライブになる時点
U12 TOマニュアルでは、アシスタントスコアラーは審判のレポートでチームを確認したら、個人ファウルより先にチームファウル数を表示します。その後、個人ファウルの標識を両ベンチに見えるように示します。
4個目のチームファウルの後は、審判がスローインまたはフリースローのボールをプレーヤーに渡し、再びボールがライブになったときに、赤いチームファウルペナルティの標識へ切り替えます。このとき数字の表示はしません。
「4個目を記録した瞬間」と「ボールがライブになった時点」を区別します。使用する表示器具によって操作方法が違うため、積み上げ式や電子表示の分担を試合前に確認します。
タイムアウトと交代|記録と審判への合図
スコアラーは請求を受けたら、チームと残り回数を確認し、認められる時機にブザーとジェスチャーで審判へ知らせます。ファウルの場合は審判のレポートの後に合図します。TO内の声かけと、審判への合図は分けて行います。
ミニバスのタイムアウトは各クォーター・各延長に1回ずつです。通常のゴールの後に認められるのは得点されたチームで、この場面では交代は認められません。通常の交代は第4クォーターと延長が基本で、第1〜第3クォーターの負傷や5個のファウルなどは別の扱いです。
タイムアウト欄には、残り時間ではなくそのクォーターの経過時間を分単位で切り上げて記録します。6分のクォーターで残り2分35秒なら、経過3分25秒を切り上げて「4」です。3分の延長で残り9秒なら「3」と記録します。
審判がタイムアウトを認めた後の45秒の計測はタイマーの担当です。請求を知らせるブザー自体がゲームを止めたり、ボールをデッドにしたりするわけではありません。
ポゼッションアローを反転するタイミング
試合開始のジャンプボールで一方のチームがボールをコントロールしたら、相手チームが攻める方向にアローをセットします。その後は、次のオルタネイティングポゼッションでスローインするチームを示します。
ジャンプボールシチュエーションや、第2〜第4クォーター・延長の開始時には、スローインのボールがコート上のプレーヤーに正当に触れ、オルタネイティングポゼッションのスローインが終わってから反転します。笛が鳴った瞬間や、審判がスローインのボールを渡した瞬間に反転しません。
前半が終了したら、後半に攻めるバスケットが変わるため、アローの向きも変えます。これは後半開始のスローインの権利を相手へ移す操作ではありません。後半をどちらのチームのスローインで始めるか、審判と確認しておきます。
スローインするチームのバイオレーションや、スローイン中のファウルでは、権利の扱いが異なります。通常の反転と同じと決めつけず、審判と確認してください。
得点表示が合わない・記録ミスに気づいた場合
スコアボードとスコアシートが一致しない場合は、まず次の順で照合します。これは記録の確認を進めるための実務上の手順例です。
- 両チームの得点表示と、スコアシート上の合計を共有する。
- 最後に記録した得点者、点数、直前のフリースローを確認する。
- 表示の入力漏れか、スコアシートの記録ミスかを確認する。
- 解決しない場合や記録ミスが疑われる場合は、審判へ差を具体的に伝える。
第48条48-2では、表示と記録の相違を解決できない場合、スコアシートを優先し、表示を合わせると定めています。ただし、スコアシートに誤りがあると分かった場合まで、その数字を正しいと決めつけるわけではありません。
ゲーム中にスコアシートの誤りを発見した場合は、次にボールがデッドになったときに、国内大会ではスコアラーがブザーで審判へ知らせます。プレー中にTOがブザーだけで試合を止めようとせず、クルーチーフと協議して訂正します。
得点、ファウル、タイムアウトの記録ミスには、第44条で訂正できる範囲と期限が定められています。「試合終了後ならいつでも直せる」と考えず、発見した時点で共有してください。詳しくは第44条 訂正のできる誤りをご覧ください。
クォーター終了・試合終了時の確認
各クォーター・延長の終了時は、ランニングスコアの最後の得点を太い丸で囲み、得点と選手番号の下に太い横線を引きます。前半終了時は、両チームの記録と合計得点・ファウル数を照合し、後半のスローインの権利も確認します。
試合終了時は最終得点を囲み、下に太い横線を2本引きます。残りの得点欄を斜線で区切り、勝者、各クォーターの得点、最終結果などを確認します。TOクルーがそれぞれサインし、最後に審判がサインします。
確認に使ったJBA公式資料
- JBA U12カテゴリー:競技規則・TO関連資料の掲載ページ
- 2026ミニバスケットボール競技規則:第12・第18・第19・第44・第48・第49条
- U12 TOマニュアルハンドブック(2026年度版):「スコアラーの仕事」「アシスタントスコアラーの仕事」
一般競技規則の条文だけでなく、ミニバスのスコアシートと国内U12の操作手順を確認しています。
まとめ
- スコアラーは公式記録と請求の合図、アシスタントは得点・ファウル表示を担当する。
- 得点者、ファウルの番号・種類・処置をTO内で共有し、推測して記入しない。
- 出場時限、タイムアウトの経過分、アローも正しい時点で記録・操作する。
- 記録の誤りは次のデッドボールで知らせ、第44条の訂正期限に注意する。
TO全体の分担は第45条 審判・TOの役割、関連する条文は2026年競技規則・第1条〜第50条まとめをご覧ください。

